でも「木造は簡単に直るんだ」とは、思わないで下さい。注意深く見ていただくと、例えば建売住宅の現場に入っている大工では到底出来ないような、細かい細工がそこかしこに見られます。これらのディテールの寸法が、親方の感覚に支えられているという事実にも非常に驚きます。
日本にはまだまだ、素晴らしい技術を持った大工がいます。ちなみに弊社で良い大工を選定する際の一つの基準は、「かんな」がきちんと使えるか。
親方に聞かれれば、「そんな当たり前のこと!」と怒鳴られそうですが、「かんな」の使えない大工は思っている以上に増えているのも事実です。
また、古材に拘るだけではなく、一般住宅であれば防水シートや金物、オスモやキシラデコールなどの新しい技術も積極的に導入するのが良いであろう事は言うまでもありません。
でも、それを支えるのは、あくまでも基本的な大工の力量なのです。
この現場を担当した彼はまだ30代。その素晴らしい技術に、自分は無関係なのですが、同じ日本人として、なんとなく誇らしい気持ちがします。
くれぐれも、腕の無い大工にマネをさせようとしないで下さい。そういうのが施主の責任です。