木造改修 -土台編-
京都千年の寺社建築の根拠がここにあります。

目次

 劣化部分の交換

木構造最大の利点のひとつが、劣化部分だけを切り離して交換できることと言って良いでしょう。

朽ちた部材の朽ちた部分だけを、新しい材料に置き換えて、それを繰り返すことによりやがて建物全体をよみがえらせる。

それが出来るからこそ、木材のような腐食しやすい材料が、我が国のような湿度の高い国で千年もの長きにわたり、維持・承継できているのだろうし、それを可能にする加工技術があるからこそ、成立する考え方なのでしょう。勿論、ここまで使い倒す必要も無いですが、築百年、建物を支えた柱は十分に仕事をしたと言って良いでしょう。

 

鉄骨造や鉄筋コンクリートに比べれば、建物重量が圧倒的に軽いので、簡易ジャッキで支えながら、柱の一部を交換することも出来てしまいます。

 大工の重要性

でも「木造は簡単に直るんだ」とは、思わないで下さい。注意深く見ていただくと、例えば建売住宅の現場に入っている大工では到底出来ないような、細かい細工がそこかしこに見られます。これらのディテールの寸法が、親方の感覚に支えられているという事実にも非常に驚きます。

 

日本にはまだまだ、素晴らしい技術を持った大工がいます。ちなみに弊社で良い大工を選定する際の一つの基準は、「かんな」がきちんと使えるか。

 

親方に聞かれれば、「そんな当たり前のこと!」と怒鳴られそうですが、「かんな」の使えない大工は思っている以上に増えているのも事実です。

 

また、古材に拘るだけではなく、一般住宅であれば防水シートや金物、オスモやキシラデコールなどの新しい技術も積極的に導入するのが良いであろう事は言うまでもありません。

 

でも、それを支えるのは、あくまでも基本的な大工の力量なのです。

この現場を担当した彼はまだ30代。その素晴らしい技術に、自分は無関係なのですが、同じ日本人として、なんとなく誇らしい気持ちがします。

 

くれぐれも、腕の無い大工にマネをさせようとしないで下さい。そういうのが施主の責任です。

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