4. 不動産取引のおきて

(1) 不動産が売却できない理由

不動産の売却において、以下の条件を満たしているとしたならば(その条件を満たすことが非常に難しいという説明はしてきたところですが)、物件が売却できない理由は、「その時期」に「その価格」では、その物件を購入しようと思う消費者が存在しないという以外に無いのです。

  • 査定は悪意無く、一定の技術に基づいて適切に行われている
  • 業者の恣意的事情が働かず、販売情報が完全に全国に公開されている

つまり販売の時間に余裕を持てる売主程、高額に売却できる可能性が高いと言うことになり、不動産を高額に売却できることと、営業マンの数やチラシ配布の頻度・・・いわゆる不動産業者の営業力は全く無関係なのです。

(2) 不動産の売却に営業力が必要ない理由

不動産業者の総数は全国で約12.5万社、57万人の就業者があるとされています(不動産流通センター調査)。この中で大手6社(すまいValue)は、野村の仲介、三菱地所ハウスネット、三井のリハウス、小田急不動産、東急リバブル、住友不動産販売ですが、各々の従業員は1,500人、360人、4,500人、3,700人、3,400人、3,400人に「過ぎません」

右表によれば、大手6社の合計は17,000人程度となりますが、これはレインズで一気に情報発信が可能な57万人に遠く及ばない、ごくわずかな数字となります。

しかも大手各社は、ノルマは店舗毎、個人毎という販売体制を布いているため、各社ともに、社を挙げて売却仲介業務を行うと言うことはしておりません(出来ません)。例示としてMリハウスの鎌倉店で預かった売物件を、Mリハウスの横浜店のホームページに掲載すると言うことは無いのです。

仮にここで、先述の週刊ダイヤモンドの記事通りの囲い込みが生じた場合、大手各社と囲い込みをしない当社との広告効果の比較は以下の通りになります。

大手不動産業者1事業所10(数)人   : レインズ57万人  

全国ネットに情報を適切に公開するかしないかの、広告効果の差は歴然であり、それがそのまま、当社の実績に繋がっているのです。

不動産は営業力で売却を促進するものでは無いと、十分にご理解いただけたと思います。
今時の不動産は、全国ネットの情報網に適法に、即時に物件情報を公開して売却するものなのです。

(3) 近所近隣に対して秘密、内密に販売する方法

そんな方法は(あなたに多大な損害を出さない限り)、ありません。

ご高齢の方から多く、こうしたご要望をいただきますが、インターネット全盛のこのご時世、あなたの不動産が水面下で、秘密裏に、誰にも知られること無く売りに出されていると信じているのはあなただけです。

良心的な業者ほど、価格を少しでも伸ばすために情報を拡散しようと心がけますし、そもそも毎週末に何人もの黒服の男に入れ替わり立ち替わり案内されてくる家族連れを見て、何も理解しない近隣などいるわけがありません。

(4) 早期売却と高額売却

「出来るだけ早く、高値で売却したい」 
それがおそらく全ての売主の共通の願いであろうと思います。
しかし当社は出来もしないことを、お約束もしなければ、出来ると言うこともありません。

当社の面談の際、最初の説明で必ずお伝えしているのは、「二兎を負うべきでは無い」と言うことです。ここも考えれば大変に簡単な話、「早く」「高く」などという、都合のいい話は実務上実現し得ないのです。

結果論としてみた場合、「もっと安ければもっと早く売却できた」だろうし、「もっと時間を掛ければもっと高く売却できた可能性はあった」ということにしかならないのです。不動産の売却において、やり直しということは無いのですから。

(5) 絶対に避けるべき買取保証

買取保証をありがたいと考える消費者は少なくないと思います。しかし、ここも単純に考えてみれば分かる程度の話です。

買い取った物件を、その業者はどうするのでしょうか。
自分で住んだりはしません。

当然に転売をするのですが、ソコには利益が乗ります。
その利益が不動産業の場合、通常の消費者の常識を越えて高額であると言うだけの話です。

前項の砧の事例が分かりやすいでしょう。
A社の査定が9,000万円、B社の査定が8,000万円のところ、C社は買取保証を6,000万円で申し出ました。

この物件を当社は1億超で売却仲介しています。

不動産業者の営業マンは、数千万円の取引をし続けている百戦錬磨の強者です。たった数回程度の取引を経験した消費者が、対峙しようとしても敵う訳がありません。

優秀な営業マン程、会社への貢献度が高いのですから、消費者は逆に気をつけねばなりません。