一方、素材を活かさず、塗装によってのみ景色を仕上げようと考えた場合、ペンキは意外と友好な材料になると思います。特に紹介事例の様に、漆喰風に建物の外観を品良く仕上げたいような場合、工夫と指示の出し方次第で大幅なコストダウンが出来るのでは無いでしょうか。
例えば正しい和風建築の施工手順として、こうした漆喰仕上げの下地は平気で小舞壁だったりします。手間は掛かるしそもそも材料すら手に入れるところから大変で、しかも断熱性も気密性も、今時の材料にはとてもかないません。勿論、それが良いとか、捨てがたい味があるとか、そういう見解も否定はしませんが、それを維持していくことは決して簡単ではありません。
事実、事例の壁面が「ボード+ペンキ」に変更する以前が、「小舞壁+漆喰」だったからこそ言えるのですが、個人的には漆喰は建物の外装材としては、特に個人住宅においては、そろそろその役割を終えたと言って良いのでは無いかとすら考えるところです。
さて。ところでペンキ仕上げにした場合の問題は、「はがれ」と「よごれ(こけ等)」でしょう。
今回は再塗装をしていますが、一度、清掃をはさんで、維持管理コストを調整するという選択肢もあるかも知れません。