目次
[ この記事のポイント ]
● 賃貸アパートの毎月の賃料売上が分からないオーナーはいない。
● でもその採算効率が良いのか悪いのか、分かっているオーナーも、ほとんどいない。
● 採算チェックシートで、全て解決(今ならダウンロード無料)。
はじめに
不動産投資を考えた場合、言うまでも無く利回りが4%等、ほとんど回らないようなものはNGです。逆に10%を超えるような利回りは中古物件で見かけはするものの、リターンとリスクのバランスを考えれば、将来の大きな補修リスク等が隠れているものがほとんどでしょう。
一方、駅前を中心に投資効率(利回り)を無視したり、土地代を無かったことにしたまやかしの提案や計算は、それ以前に論外です。
投資とはバランスであり、このバランスこそが事業の優劣を決定づける、ひとつの指標となる訳ですから、各々の事業の利回りを検討、把握しておくことは、資産の優劣の明確化のためにも、非常に重要な作業です。だから、その事業以上に、もっと効率的な事業の可能性をきちんと検討できるように、利回りの公式は適切なものに共通化されている必要があるのです。
資産チェックシートについて
新築物件*1ならば、各業者が喜んで提案書をまとめてくれます。もし仮にソコに「利回り」が無かったり、利回りに「土地費」が抜けていれば、再計算をオーダーすれば良いだけです。
ところが、ご自身の既にお持ちの賃貸アパート*2は、以外と投資効率のチェックが難しいものです。しかしこれらの優劣も明確化しないと、土地に限らないその他の投資*3との比較など、出来るわけがありません。
そこで当社では誰でも簡単に、順に空欄を埋めていけば、その資産運用に対する評価が得られるように、資産チェックシートを考案しました。このシートは、勿論、当社のオリジナルなのですが、利回りの計算方法は法定再開発事業の考え方に準拠しています。
以上の前提条件を踏まえて、是非一度、ご自身の運用する賃貸アパートを、資産チェックシートでチェックしてみて下さい。
当社が関連記事で説明してきた通り、毎月数百万円という家賃が入ってこようと、空室なく回転していても、全く大丈夫ではない場合があるということがハッキリすると思います。
資産チェックシートの作成方法
資産チェックシートの詳細な作成手順は、以下の窓からご覧いただけます。
① 土地の坪単価を記入する
・お付き合いのある不動産会社に「このエリアの坪単価はいくらくらい?」と問合せてください。回答が同じとは限りませんので、複数社に聞くと安心です。
・ご自身でお調べになるのであれば、ある程度オフィシャルな情報として、不動産ポータルサイトのホームズでも調べることが可能です。当該物件の所在県、市まで選択すると、左メニューで町まで絞り込むことができます。 https://www.homes.co.jp/tochi/
② 坪数を記入する
・土地の面積を㎡で把握されている方は、0.3025をかけて坪数に換算して下さい。
例)100㎡x0.3025=30.25坪
※1坪は約3.3㎡ですが、正式には3.3を使って計算をしません。
③ 所有する土地の、今現在の価格(価値)を計算する
- ① X ② = 土地代③ です。
※繰り返しますが、土地代を入れないと保有地と新規購入土地が公平に比較できません。
④ 建築費を記入する
・新築時に支払った建築費(地盤改良費や外構費も含む)をご記入ください。
・概算額として100万円単位まで記入できれば十分です。
⑤ 年間賃料を記入する
・1ヵ月の収入 X 12ヵ月=年収 を計算してください。
※銀行返済した後の手残りではなく、1ヵ月に入ってくる収入が必要です。
※手残りに差が出るだけで、事業そのものの純粋な優劣は、全額現金か全額借入かの資金調達に影響されません。
⑥ 総投資額を記入する
・建築費④ + 土地代③ = 総投資額⑥
・大切なことなので繰り返しますが、所有している土地はタダではありません。
・事業性の良し悪しの判断は、所有している土地に建物を建てた場合でも、買った想定で計算をしなければ、間違いです。
⑦ 事業利回りを記入する
・年間賃料⑤ ÷ 総投資額⑥ X 100 = 利回り⑦
・この利回りが重要です。
計算してみるとお分かりの通り、全ての保有資産の「運用面」における優劣や順位が数字で明確化できます。そればかりか、それら全ての不動産と、その他の金融資産との比較も行うことが出来るようになるのです。意外と自分では優秀だと思っていた物件が、他の物件に劣っていると言うことも数字が明確にしてくれます。まずは下記の「表面利回り」の数字と照らし合わせて、ご自身の資産運用の良し悪しをご確認ください。
資産チェックシートの早見表
計算してみるとお分かりの通り、全ての保有資産の「運用面」における優劣や順位が数字で明確化できます。そればかりか、それら全ての不動産と、その他の金融資産との比較も行うことが出来るようになるのです。意外と自分では優秀だと思っていた物件が、他の物件に劣っていると言うことも数字が明確にしてくれます。まずは下記の「表面利回り」の数字と照らし合わせて、ご自身の資産運用の良し悪しをご確認ください。
資産チェックシートの活用方法
勿論、不動産はドライな数字だけの世界ではありません。
資産承継を踏まえた思い入れの部分もあるでしょう。でも、いくら気持ちの上で大切にしたい土地であったとしても、数字でソコまで回っていないと分かれば結論は変わるかも知れません。これは当然に逆もあって、泣く泣く処分が家族会議で先週決定された土地、計算してみると、「意外と稼いでいるぞ?!」という場合もあるのです。
不動産に思い入れはあって構わないのですが、それは単なる空想ではなくて、事実に基づく思い入れである必要があると思います。
例えば当社顧客の中には、複数所有されている物件を算定し、優劣比較することで物件毎に個別具体的な改善方針を立案することに活用されています。物件の優劣が明確ですから、投資順や資金規模も長期計画で立案することが出来ます。
また、金融資産との比較によって処分を決めたり、その金融資産よりも有利な別な不動産立地があれば資産の置き換えを行ったり。非常に広範囲な検討に活用ができて、全ての決定を根拠を持って進められるようになるのです。
病気を治すには、まず、なんの病気か分からなければなりません。
まずはご自身の資産の状況を、把握されることが、第一歩なのではないでしょうか。
資産チェックシートは、不動産の健全な運用方針の策定のための、力強い第一歩に、確実になるでしょう。