賃貸アパートの採算確認方法

資産チェックシート

ほとんどの賃貸アパートが、実は相続や売却時の納税資金を賄えないことはご存じですか。

 

はじめに

不動産投資を考えた場合、言うまでも無く利回りが4%等、適正に回らないものは好ましくありません。逆に10%を超えるような利回りは中古物件で見かけはするものの、リターンとリスクのバランスを考えれば、多くの場合、将来の大きな補修リスクが見えていないものがほとんどでしょう。

 

一方、駅前を中心に利回り(投資効率)を無視し、「月額○百万円の賃料」と、賃料の多寡だけに着目した検討も見かけますが、投資先の事業の優劣が不明瞭であることは言うまでもありません。その事業以上に、より効率的な事業があっても、判断が出来ないと言うことになります。

 

投資とはバランスであり、各々の利回りの適正値を検討、把握しておくことは、資産の優劣の明確化のためにも、非常に重要な作業なのではないかと思います。

考え方の前提条件

その利回りですが、賃貸アパートメーカーを中心に、驚くことに土地費用を含めず、建物費用だけで計算しているものがほとんどです。賃貸アパートは「土地」に「建物」を建てることで、はじめて成立する事業ですから、土地を除けば事業が成立せず、よってその計算結果の利回りにはなんの意味もありません。

 

事業が「土地」+「建物」で成立する場合、総投資額には絶対に土地代を含めなければなりません。仮に土地を元から所有している場合には、その土地を現時点の売却価格(市場価格)で算定し、建物の投資額を含めた総投資額に対して、賃料収入のバランスを検討しなければなりません。

 

このバランスこそが、その事業の優劣を決定づける、ひとつの指標となるのです。

資産チェックシートの作成方法

「資産チェックシート」に関しても、提案している会社は残念ながら当社以外には聞いたこともないし、一般的ではないでしょう。ですので以下、どの様に作成するのかを書き込んだ見本をご案内いたします。

 

さらに詳細な説明をご希望の方は、以下よりご覧下さい。

①  土地の坪単価を記入する

・お付き合いのある不動産会社に「このエリアの坪単価はいくらくらい?」と問合せてください。

・回答が同じとは限りませんので、複数社に聞く必要があります。

・ご自身でお調べになるのであれば、ある程度オフィシャルな情報として、不動産ポータルサイトのホームズでも調べることが可能です。当該物件の所在県、市まで選択すると、左メニューで町まで絞り込むことができます。

 

②  坪数を記入する

・土地の面積を㎡で把握されている方は、0.3025をかけて坪数に換算して下さい。

例)100㎡x0.3025=30.25坪

※1坪は約3.3㎡ですが、不動産業者は3.3を使って計算をしません。

 

③ 所有する土地の、今現在の価格(価値)を計算する

・坪単価① X 坪数② = 土地代③ です。

・このシートの計算では個別条件までは考慮できませんが、それでも、土地費がゼロの提案に比べれば、はるかに実態を反映した事業評価が可能になるでしょう。

 

④ 建築費を記入する

・新築時に支払った建築費(地盤改良費や外構費も含む)をご記入ください。

・概算額として100万円単位まで記入できれば十分。10万円単位まで分かるのなら十二分でしょう。

 

⑤ 年間賃料を記入する

・1ヵ月の収入 X 12ヵ月=年収 を計算してください。

※銀行返済した後の手残りではなく、1ヵ月に入ってくる収入が必要です。

 

⑥ 総投資額を記入する

・建築費④ + 土地代③ = 総投資額⑥

・大切なことなので繰り返しますが、所有している土地はタダではありません。

・事業性の良し悪しの判断は、所有している土地に建物を建てた場合でも、買った想定で計算をしなければ、間違いです。

 

⑦ 事業利回りを記入する

・年間賃料⑤ ÷ 総投資額⑥ X 100 = 利回り⑦

・この利回りが重要です。

・下記の「表面利回り」の数字と照らし合わせて、ご自身の資産の良し悪しをご確認ください。

実際に計算してみましょう!

是非、ご自身の運用する賃貸アパートを、資産チェックシートでチェックしてみましょう。毎月数百万円という家賃が入ってくるから安心というものでも、空室なく回転しているから大丈夫というものでも無いと言うことがご理解いただけると思います。

 

例えば当社顧客の中には、複数所有される物件全てを算定。優劣比較することで改善方針を長期計画で立案したり、金融資産での運用との比較によって、計算に基づいて処分を決めたりと、使い方には非常に汎用性があります。

 

意外と自分では優秀だと思っていた物件が、他の物件に劣っていると言うことも数字が明確にしてくれます。

 

まずはご自身の資産の状況を、把握されてみてはいかがでしょうか。