賃貸管理会社裏話 -募集編-

投稿者: | 2021年1月2日
賃貸管理会社の入居者募集は非公開が当たり前

目次

 大多数の賃貸アパート管理会社の募集体制は、非公開が原則です

そもそも、「非公開」などと言う募集方法があるのか? と思われる方がほとんどでしょう。

 

でも売買の時を思い出して下さい。不動産業者は物件の売却情報をできるだけ社内に隠して、自社の利益を二倍にすることを優先していましたね。自身の顧客たる売主を「待たせてでも」です。

賃貸も同じ収益構造になっているため、全国の不動産業者にネット上で情報提供が出来る、レインズというシステムをあえて使わず、自分以外の不動産業者を取引から排除して、手数料を分けなくて良いようにするのです。ですから大多数の賃貸アパート管理会社というよりも、ほぼ全ての管理会社が、まずは自社だけで入居者募集を始めます。

自社ホームページへの公開

● ポータルサイト(スーモ、ホームズ等)への公開

● 新聞折り込みや宣伝広告チラシの配布

以上、情報の公開と勘違いしますが、全てが入居者への直接広告です。受領する仲介手数料を確実に自社のみで全額、まるまる受領できますが、売主に利益のある情報公開方法ではありません。

先述のレインズの先には全国約57万人の不動産業の就業者がネットワークされています。三井、三菱に始まり、住友、野村、東急・・・と言っても、右のグラフの通りですから、レインズを活用する当社と、大手不動産業者で、いずれが大きな情報発信能力を駆使しているかは説明の必要が無いでしょう。賃貸専門の不動産業者となると、ここに例示した大手企業よりも更に小さな規模です。もしかすると、あなたの賃貸アパートが長期間空室である主な原因は、こんな基本的なところにあるのかも知れません。

ちなみに当社の知る限り、この入居者募集方法は、「賃貸住宅が数ヶ月空室になっている」・・・程度の事では改めようとしないのが一般的です。

 自分の物件の扱われ方を、確認してみましょう

まだピンと来ない方は、少しご自身で調べてみてはいかがでしょうか。論より証拠です。不動産ポータルサイトと呼ばれるサイトには、「ホームズ」「スーモ」などがありますが、物件情報の登録段階で予め、以下のような選択肢が準備されているのです。

□ この物件に対して、他の不動産業者からの入居者紹介を受け付けない

□ この物件に対して、他の不動産業者からの入居者紹介を受け付ける

「受け付けるも受け付けないも、入居希望者があるのだから受け付けるに決まっているだろう!」

 

と、お考えになった賃貸アパートオーナーの方。管理会社に対する管理が甘すぎます。

ホームズに電話一本入れて、事実を確認する手間を掛けましょう。

 

少しお考えいただければ分かることですが、これらのポータルサイトの「お客様」は、物件オーナーではなく管理会社です。ですから、これらのサイトはオーナーの利益よりも、管理会社が利益を上げやすいように、管理会社が使いやすいように、システムを進化させてきているのです。

 当社の募集方法

募集情報の公開など、消費者の方から見れば、やって当たり前のことではないのかと思われるかも知れませんが、不動産業界ではその常識が通用しません。当社が管理業務をアウトソーシングしているいくつかの大手管理会社ですら、他社算入の公開募集を認めさせるには、一手間二手間かかっているのが実態です。

 

しかし入居者募集は本来、自社利益を先回りして計算するのではなく、一刻も早く入居者を獲得する事を優先すべき業務のはずです。その入居者を誰が付けようが、オーナーには関係がありません。だから当社の募集物件の公開方法は、あくまでも入居者獲得の可能性が最も高いレインズへの手続きを第一優先とし、次に、時間を掛けず直ちに情報発信できるものから順次速やかにという手順を、全スタッフにも徹底しています。

 

なんでもとにかく最初にレインズを使うという当社のスタンスは、不動産業界では極めて異例です。だからこそ逆に、当社には各々の賃貸物件周辺に、付き合いの深い「他業者」とのネットワークや信頼関係が自然に構築されています。

当社のコンサル物件は、全ての「他業者」が断られること無く、安心して客付けできる物件なのだとの理解を深めてくれています。このため、空室が出た途端、他業者からの積極的な客付け照会が入り、だからあちこちの賃貸物件で、「値上げ」という、余り聞かないことも簡単にできるようになるのです。