不動産売却に対する『時間の作用』

不動産の取引において、『時間』はとても重要です

特に売買の場合には、もしかすると『もっとも重要』と言っても良いかもしれません。

 

 結論

説明をせずに結論から書くのは簡単な話だからです。

買主から売主たるあなたがどうみえているか、想像してみるだけで分かります。

 あなたには時間が無い = 急いでいる ≒ 期日に迫られている

買主は、わざわざ高い買付条件をあなたに提示してくるでしょうか。

 構造と理屈

不動産の売却に限りません。不動産の購入でも同じです。不動産の賃貸借でも例外なく生じます。

 

不動産というものが、必ず理解相反関係を含むような仕組みになっているため、時間が無いことが大きな不利益に繋がるのです。その中で、この不利益がもっとも大きく生じる立場が売主であると、お考えいただければ良いと思います。

 

交渉のほとんどは時間の無い方の負けで決着します。

 

買主の場合には、不利な交渉が始まった時点で、買わなければ損をする事もありません。売主が期日に迫られた場合、撤退という選択肢はありません。

 

わざわざ、時間に窮している売主に対して、売主が感謝するほどの高額買付条件を提示してくる買主など、いるかもしれませんが少数に決まっているでしょう。

 

だから当社では、売主のコンサルティングの場合には、なにを置いても売主の事情から時間的不利益を売主自身が被らないように、そうした条件を極力、排除解決することに注力するのです。

 

特にその取引が、高額な取引である場合、この傾向は更に顕著になると当社では考えています。

 日本人の所得分布と住宅予算

このグラフは厚労省の国民生活基礎調査から年収2千万以下の分布と、財務省の「日本の所得税負担の実態」というレポートから2千万超分布を重ね合わせて当社にて作成しました。正確にどの年収の人たちが何人居るのかでは無く、概ねの分布としてどういう状況なのかをご確認下さい。

 

まずそもそも、年収1千万を超える分布が15%もありません。

 

更に8千万円の中古マンションとか、1億を超える中古住宅を購入できる財力として、年収1千万では厳しいと考えるのであれば、年収2千万~5千万の分布は一気に約1%にまで落ち込みます。ここであえて5千万超を除外して考えているのは、5千万超の人たちは1億の予算で住宅を購入しないからです。ちなみに5千万超は0.1%なので、この円グラフでは判別できないほど少数です。

逆に、多くの建売住宅が5千万円以下の予算にセッティングされていますが、これも分布から明白なように、年収300万円超~2,000万円以下の分布が約65%と圧倒的に多いのです。不動産業者は売りやすい物件を見事に供給していると言うことになります。これは住宅取得費の話ですから、更地の場合はこの金額に建物費、中古の場合はリフォーム予算が含まれることになります。まとめてしまえば、3千万~4千万の土地が売りやすいというのはこういう理由です。

 

 

8千万円の中古マンションとか、1億を超える中古住宅は、マーケット全体の1%の中から買主を見つけなければなりません。

 

5千万円以下の物件の流通速度に比べて、圧倒的に時間が掛かるのは当たり前のことなのです。

 

 査定の分布

更に、同じ8千万円超の物件であっても、査定によって「8千万円」「9千万円」「当社査定の1億超」程度の誤差が出ることは別ページの通りです。

 

この中で当然に、「8千万円」より「9千万円」より「1億円」の買主の方が数は少なくて、その減り方が加速度的なのはグラフの通りです。

 

こうなると、売主がどの評価に妥当性を見いだすかという以前の問題として、8千万円の予算では無く、1億円の予算の買主の出現を待つ時間があるのかどうかが成否を分けるのだと言うことが、ご理解いただけるのでは無いでしょうか。

 絶対に回避すべき事項

 ● 住宅の買い換えで、先に新しい物件を購入

 ● 相続納税用に売却用の土地を準備し、売らずに放置 

 ● 不動産業者への売却

不動産の売却において、当社では3つの事項を回避すべきと考えています。

説明は細かくなりますので、ご興味おありの方はご覧下さい。