木造大胆改修

投稿者: | 2023年10月8日

目次

好き勝手出来る訳ではないですが・・・

間柱は移動できます、土台は交換できます。「洋館」や「古民家」などを改修して使おうと漠然と考えていても、果たしてどこまでできるのか。その知識次第で、購入対象の物件の幅も変わってくるでしょう。

論より証拠

まず、お見せするのが早いと思います。このくらいのことは出来てしまうのが木造建築の強みです。中には、むしろソコまでのコストも係らずに実現出来る工事もあります。

Before

After

和製下見張り
西側雪景

Before

土台交換

After

Before

台所改修前

After

小窓設置
台所仕上がり

Before

建具再利用

After

書院建具、すかし欄間
建具の再利用は、建具に合わせて壁を設計。照明は大正期のものを再利用。

Before

改修前廊下

After

照明器具の選定
天板を撤去し、丸田の構造を現しに。ただし気密性は犠牲となる。

Before

ここから復活

After

間柱移動
従前の室内部分を一部、屋外に変更。ただし屋根はあるので、曖昧な空間演出。
引き込み開放

Before

改修前食堂屋根

After

瓦からガルバに変更

Before

トイレ床下改修前

After

得意の土台交換
約100年前の基礎すら適当な土台を、角材交換と金物で補強。

Before

根太を追加

After

書庫仕様
書庫への転用のため、根太を大幅に補強。

Before

減築

After

住宅メーカー等で見積を取れば、とんでもない金額になるでしょう。その理由はとても簡単で、住宅メーカーという業態が、そもそも「決められたことだけ」を「繰り返す」ことによって発揮できる、「同型発注による発注総額のスケールメリット」から利益を上げていくシステムのことだからです。
切り離し部分の廊下撤去
大家族から大幅な家族構成の変化のため、減築。写真一枚目は逆方向から撮影。写真奥の砂壁は旧玄関。
北側部分撤去完了

カスタマイズ

ならば個別に必要な補強、補修、デザイン性の向上など、していけば良いとお考えかも知れませんが、具体的には以下の取りまとめが上手くいかないと、デザインだけではなくコストまでをもコントロールが出来ません。
  • 建築家による設計提案・・・コスト管理を含む
  • 工務店による施工方法や手順、動員職方の選定等
  • コンサルによる全体管理
以上をチームとして検討しつつ、そこから逆算して物件の選定、購入を進めることが理想型と言って良いでしょう。

コスト

ちなみに紹介物件は、感覚的には(やり直して見積は出来ないし、同じものにならないので)新築の60~70%程度のコストは係っていると思います。
実際、完全に新築の部分もあるし、新築並みに再生している箇所も多いので。
黒電話、カンテラ
ツーバイ、ペンキ
アドヴァンタイル
シェルフ、真鍮、再利用
陶器スイッチ
半露天風呂
西向き全面開放
カランなし
木製細工換気扇
脱衣所夕景
漆喰風ボード仕上げ
カブトムシ
お盆様
丸窓
新設本箱
黒檀飾り棚転用
ペンキ仕上げ
応接雪景
洋館煙突
蚊取り線香
それを割高だと考えるのか、割安に収まったと捉えるのかは個人の価値観でしょう。
ただ。
思い入れのある古き良き建物は、意外と頑張れば見違えるように生まれ変わることが出来ると言うことも事実なのです。その際、木造であると言うことは、おそらくは圧倒的な優位性となるでしょう。