目次
はじめに
「コロナ禍でリモートワークが認められるようになったので、毎日通勤しなくていいから東京を脱出する人が増えている」・・・そんな話があります。
「コロナ 23区 人口減少」で検索すると、「東京都の人口 5か月連続減少 コロナ影響で23区からの移住増か(2020年12月25日NHK)」「東京23区 すべての区で人口が前の月を下回る 25年ぶり(2021年3月30日NHK)」というのが出てきます。
東京都全体では人口減少となっているようですが、一方で「首都圏マンション価格、バブル期並み コロナ禍でも人気(2021年1月25日朝日新聞)」という記事もあります。これだけみると「減少しているのは東京でも23区以外なのかな」と思う方もいるでしょう。
当社は都心部以外の首都圏(1都3県)でアパートをプロデュースしていますので、最近の郊外部の人気を感じていますが、どの程度都心部から人が流出しているのかわかりませんでした。今回は、23区における住民基本台帳の直近1年間の人口増減を年齢別に分析して、本当に人口が流失しているのか、それともマンションが好調で増えているのか、明らかにしてみました。
23区のうち18区は直近1年間で人口減少
最初に図1で総人口の増加率をみてみましょう。千代田区、中央区はさすが都心、人口が増えています。台東区、墨田区、練馬区もプラスですね。残り18区はすべてマイナス。特に港区はマイナス1.4%と大きな減少です。1%以上マイナスは新宿区、豊島区、港区ですから、大きな繁華街のある区ですね。
図1 23区の直近1年間の人口増加率
―不動産業界の常識を疑え―