賃貸アパートの立地選定1 東京一極集中の つかいみち

賃貸アパート投資の立地選定 1

東京一極集中の つかいみち -コロナによる、新しい流れ-

 

 [ この記事のポイント ]

 ● 23区内なら空室リスクが低く、賃料も高額だが、それ以上に投資額が高額。

 ● その23区からの人口流出が発生しており、統計的に裏付けることも出来る。

 ● ならば違ったことを考えて、着手するタイミングなのだろう。

 はじめての離脱圧力

東京からの離脱圧力が働いている。

 

これは戦後、高度経済成長を経て、バブルの時期をも含めても、コロナによって生じる初めての事象なのではないでしょうか。

 

2021年1月頃、感覚的には日常業務において、まずは横浜中心部の賃貸住宅が全く品薄の状態になりました。当社コンサル物件のティアレ上大岡は言うに及ばす、一気に転勤都合等により5~6部屋退居した住戸に客付けをしてくれたどの業者と話しても、入居者で物件が奪い合いになっているという様な感想を漏らします。この時期のティアレ上大岡は、派手な事例としては前回賃料の10%以上、1万円の値上げや、5千円以上の値上げが計3戸、それでも入居者が取り合いをすると言うくらい、誰にでも簡単に運用が出来るような状況となっていました。

この流れ(勢い)は更に東京23区を中心として拡散、拡大し、ほどなくして5月には大宮、金沢文庫等々、周辺部でも顕著に入居希望者を増加させました。当社コンサル物件で退去後の新規入居者募集に困るということはこれまでもありませんでしたが、この時期は募集から一週間以内とか、数日、極端なものは中浦和のアビタUなどで数時間で申し込みが入るというほど、出した途端に決まるというような状況でした。築6年にもなっている物件を、一気に3千円も値上げしたにも係わらずです。

 

この波を、賃料の「値上げ」「値上げ」という対応で捕まえていない業者がほとんどだと思いますが、それは安全運転なのではなく、手痛い大損害と言って良い程の状況だと思います。

 

この傾向は売買市況においてもほぼ同様で、2021年上半期は、多くの不動産業者が過去に経験しないほどの品薄感。「売り物が全くなくなる」という状態を実感したのではないでしょうか。

 

 裏付け調査

以上、雑感めいたお話を前置きとしましたが、意外にも実数に基づく、この裏付け調査はどこからも上がってきません。これは少し調べてみれば分かることですが、原因は多分、明白です。23区で統一された人口統計の調査方法、開示方法が存在しないのです。

 

このため23区ごとの人口の推移を調査しようと考えた瞬間に、全ての人は各区の独自に出している統計を一つのフォーマットにまとめ直すという作業に追われることになるのです。

以下、当社スタッフが取りまとめた、2020年5月から2021年5月までの23区の人口増減の様子を掲載します。

 

ご覧の通り、これまでは国内で一人勝ちであった23区から、明確に人口が流出している状況がご理解いただけると思います。

 

この先の記述は想像にはなりますが、これらの人口が地方都市に移動したと考えるのは無理があるでしょう。また、これらの移動がコロナと無関係に生じていると考えることにも無理があるでしょう。

普通に考えてこれらの人口は差ほど不便ではなく、月に、あるいは週に何度か、都内に通勤することが出来るエリアに移動したのであろう。そう考えることが、もっとも合理的な推論なのではないでしょうか。

 まとめ

これらの詳細データを当社では会員サイトにて公開予定です。データは20代、30代、40代の年代別の他、4才未満、すなわち乳幼児を持つ世帯の動き等々、東京周辺部における賃貸アパートの経営戦略にご活用いただけるような切り口で整理をさせていただきました。

 

ことに「4才未満」の切り口で23区の人口動態を俯瞰したデータは見たことがありませんから、賃貸経営が難しいファミリータイプやその後の一時取得という意味では中古売却や土地の部分売却などをお考えの方にも役立つ資料となるでしょう。

 

現下、人の移動は確実に都内から流出の方向です。ならば東京の一極集中を逆に利用して、周辺部での賃貸アパート経営は、賃料上昇が土地代に付加される前に対策を講じる必要があります。

 

「前に」というのは、お分かりかと思いますが、念のために加筆すると、大勢が一定のエリアの物件を探し始めれば、賃料が上昇し、賃料が上昇すれば土地の取引価格も当然に上昇していくと言う循環を捕らえて考えなければいけないと言うことです。

 

鋭い方からご指摘がありそうなので事前に予防線を張りますが、賃料が下落した都内への回帰現象は当然にあるでしょう。それでもその圧力以上に、郊外への脱出圧力が高まると当社では予測します。

 

ここは別資料としますが、担当スタッフの調査では一部東京の人口減少速度は島根の過疎地域のソレを上回っています。普通ではないことが、今まさに進行していると受け止める必要があるでしょう。

 

以上を踏まえて、東京周辺部の中で、賃貸アパート投資に相応しい用地選定はどのように検討するべきなのか。そのお話は続きの記事にまとめてゆきたいと思います。

 人口増加率の高いエリア

(1) 人口が多いエリアに「すべき」である

(2) 人口の増加しているエリアに「すべき」である

(3) 乗降客数の多いエリアに「すべき」である

(4) 乗降客数の増加しているエリアに「すべき」である

(5) 以上、全てを満たすエリアであれば最強なのだから、間違いが無い

「いやいや、関係しているのは増加率の方だろう」という方のために、人口増加率の傾向も見てみましょう。当社コンサル案件の中で人口増加率が多いのはD川崎市川崎区、E船橋市、F所沢市であり、人口増加率が「マイナス」ないしは1%未満と少ないのは、Aさいたま市桜区、B横浜市金沢区、C横浜市港南区です。しかしグラフから明らかなように、物件賃料と人口増加率の間にも、関係性は無いと言うことがお分かりいただけると思います。

● 人口20万くらいの都市の賃料実績は2,500~2,700円程度

● でも、その1/4しか人口が無い都市でも賃料は2,500円とほぼ同レベル

● 人口が多い方が有利という傾向は、全くない

● 人口増加率はグラフから、減少している都市の方が、むしろ物件賃料が高い

都市の熟成が進み、居住者の人気が出やすい…などと屁理屈を言う意味は無い

● 人口が減っている方が有利、などいう事も、論理的にあり得ない

● つまり、人口増加率と物件賃料には関係が無いと考えるのが合理的