日本のマンションは建て替わらない <実数編>

マンション「手間いらず」の嘘 <実数編>

マンション建替の恐ろしい現実について、弊社の考え方と、取り組みをまとめます。

 はじめに

もはや国民レベルの共有情報と化している、高速道路等のメンテナンス費用問題。建設当初、「考えていなかった」という回答は驚きを超えて呆れるばかりです。非常によく似た、しかももっと多数の人たちに直接影響するであろう都市問題が、「マンションの建て替え」です。

ちなみに、ここに書くような事情があるため、当社では2000年の創業以来、購入コンサルティングのお客様が、分譲マンションと建売住宅を買った事例がありません。

  老朽化による建替必要マンション数の推移

まず平成25年時点を確認してみましょう(下図)。築40年を超える、一般的に建替を検討する必要があるマンション住戸は全国で約32万戸との調査結果となっています。この時点で築30~40年の集合は約97万戸が控えており、時間経過とともに自動的に建て替えなければならない集合に繰り上がってゆきます。

 

ソコからまさに約5年が経過した令和元年時点と比較してみて下さい(下図)。

  • 築40年超は約32万戸から92万戸とたった5年で3倍に増加
  • その予備軍の築30~40年は約100万戸から120万戸へと状況は悪化
  • 更にその先の推計を見れば、雪だるま式の増加が一目瞭然

最大の問題は、なぜ、この様な事実を知りながら、業者は消費者に告げずに、今でもマンションを販売しているか、ということと、国もなぜ、こんな統計があるのに、積極的に周知徹底の措置を取らないのかということでしょう。

 老朽化マンションの建替実績数の推移

老朽化マンションが雪だるま式に増加している現状、そして将来推計はご理解いただけたと思いますが、必要な建替が順次実現できているのならこんな事にはなりようがありません。

 

もっとまずい状況として、建て替えなければならないにもかかわらず、建替が現実として一向に進んでいないのです。その状況を上記同様、平成25年時点(下図)と令和元年時点(下図)のデータを元に検証してみましょう。

 老朽化マンションの実数まとめ

●5年間で建替が必要なマンションは6,000戸ほどが建て替えできました

その5年の間に、築40年超(要建て替え)のマンションは600,000戸増加しました

その後、5年という時間の間に要建て替えマンションになりそうなものは、1,200,000戸、控えています

数字のボリウムを眺めると、一体、なにをやっているのかが、さっぱり理解できませんが、何より重大で深刻なことは、こうした事実をマンションの販売時に注意喚起している業者が皆無であるという現実なのではないでしょうか。

 

 

日本のマンションは建て替わらない<制度編>に続きます

―不動産業界の常識を疑え―