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JR埼京線中浦和駅「アビタU」の成功は入居者募集の競争健全化
はじめに・・・本事業成功は入居者募集業務の変革
本事業は埼京線中浦和駅、徒歩12分の市街化調整区域に立地する賃貸アパート事業で、年間賃料は1,800万円弱。同一オーナーがアビタU竣工の三年後にオープンさせた二棟目のアビタKと併せると年間賃料3,000万程度の資産運用ということになります。
いきなり本事業成功の核心から書きますが、ポイントは管理会社の最大の権益部分と言っても過言ではない募集業務部分に大きくメスを入れたこと以外にないでしょう。ご存じの方は非常に少ないと思いますが、管理会社の売上は、オーナーが支払う毎月の管理費と同額かそれ以上を募集業務の仲介料や広告料で賄っているのです。ここを放置している状態で賃貸アパート経営を成功させようというのは、虫が良すぎると言っても過言ではないでしょう。
ここでは本事業がその部分にどう対応したかも含めて、売上の詳細を、住戸ごと、年次ごとに全て公開します。
やればとても簡単です。とんでもなく面倒なだけです。
(1) 入居者の公開募集
入居者募集は管理会社以外は行わないという業界
健全な入居者募集をしない業界・・・知らぬはオーナーばかりなり
「知らぬはオーナーばかりなり」ということで、そもそも賃貸アパート業界には健全な競争が実現出来ない素養が最初からあるのです。よってオーナーが都度チェックしていない物件は、賃料も伸びなければ入居も遅いということになります。査定などいくらいい数字を取ってみても、実現しなければ損害が累積するだけです。
入居者募集を公開することで、競争状態にする
(2) 管理会社の押し売りを禁止
入居者募集時に、ほとんどの管理会社は自社商品を勝手に売り込む
入居者募集時に管理会社の勝手な振る舞いを許すオーナー側にも責任
(3) 地元周辺事業者への周知と協力体制の構築
入居者募集時のポイント
- 管理会社以外の地元他業者の入居者紹介を受け付ける(管理会社に断らせない)
- 折角他業者が紹介してくれた入居者に、入居者が望みもしない商品を、管理会社に押し売りさせない
管理会社任せでは賃貸アパート事業に損害
たったこれだけの当たり前すぎる取り組みが、アビタUのこれほどの成功の原動力を言って良いと思います。それはつまり、ちょっときちんとやれば、賃貸アパート事業など、誰がやっても成功する事業なのだと言うことだろうと思います。逆に言えば「空室」とか「賃料下落」等々で経営が傾いているような賃貸アパートは、相当いい加減にやっているというよりも、多分、本当に管理会社に任せきりでほぼ一切なにもやっていないのだろうと思います。
賃貸アパート事業の損害というのは、出るべくして出ていると言えるでしょう。
(4) 物件高質化
当初、アパートメーカーの設計では以下部分は駐輪場でした。
この部分はアビタU建物本体のエントランス部分であるともいえます。この部分に緑の潤いがある状態と、錆びたママチャリが並んでいる状態と、どちらの家賃が高くなりそうでしょうか。
これはほんの一例に過ぎませんが、賃貸アパートの高質化というのは所詮、その程度の話ですから、それはそんなに難しいことではないのです。
アビタUの年間賃料売上詳細
以下、クリックしていただくと本物件の毎年、毎月、全住戸毎の、全ての賃料売上の経緯をご覧いただくことが出来ます。
ここまでの情報を公開してしまうと、例えば退去後の補修や清掃に時間が掛かっても空室期間は増えますから、単に申し込みが引っ切りなしであることだけではなく、補修、清掃、募集という全ての作業が効率的かつ円滑に組み立てられていないと運用に支障が出ます(数ヶ月は空室になります)。
こうした仕組みが構築出来ているからこそ、本物件はここまでの高い入居率が実現出来ているのです。