さいたま市北区日進に、高齢のAさんと、その親戚関係にあるBさんが約170坪の土地を所有していました。

これらの土地を一括で売却するため、Aさんは古くから付き合いもあり、大宮区と地勢にも明るい地場の中小業者(株)S不動産に仲介業務の依頼をしました。
しかしながら一向に成果が上がらず、Bさんは不動産業者の物件情報の囲い込みに関しても知識があったため、旧知であった当社にアドバイスを求めました。
当社が調査をすると、この物件はレインズ(不動産業者専用のデータベース)に公開されていなかったため、そのことをBさんが担当者Sに伝えると「数日中に掲載する」「来週には掲載する」との対応でした。この時点でS不動産は明確な法令違反なのですが、AさんやBさんのような一般の消費者が、証拠を集めてS不動産の尻尾を掴む事は事実上、不可能な仕組みになっています。
しばらく待ってはみたものの、担当者Sの言葉通りに物件情報がレインズに掲載されることはなく、業を煮やしたBさんが担当者Sを問い詰めました。
その回答は、「レインズに物件を出してしまうと、【売れ残り感】がでてしまう。(ため、AさんやBさんのためにならないので、自分はあえてレインズを使っていない)」との説明でした。
このように、なんのかんのとおかしな理屈をつけて、預かった物件情報を公開せず、自社の利益を二重に獲得しようというスタンスは、大手、中小を問いません。
そして質の悪いことに、ダイヤモンドオンラインや当社のように、覆面調査でもしない限り、その嘘は売主にバレることはないのです。