楽した分だけ損をする
はじめに
建築設計や建築工事、不動産取引が日常使われる一般的な用語であるのに対し、それらを取り仕切っている「都市計画」という言葉は、あまり耳慣れない方が多いのではないでしょうか。都市計画は街づくりという言葉に概ね置き換えることが出来ますが、その構成は主に以下の二つのチャンネルとなっています。
- 規制誘導方策 ネガティブ・インセンティブ =計画・ルール
- 市街地開発事業 ポジティブ・インセンティブ =事業・開発
我が国の都市計画を完結に言い切れば、他の先進国に類を見ないほどの脆弱なルールと、他の先進国に類を見ないほど大胆かつ不必要なまでの事業支援の組み合わせと言うことになるでしょう。
行政任せ、コンサル任せの 「計画」 が、民意を適切に反映することはありません。
不動産業者任せ、デベロッパー任せの 「事業」 から、妥当な利益を得ることも出来ません。
とても分かりやすく、街づくりというものは、自分でやらなければならないものなのです。
1.規制誘導方策のすすめ・・・住民協定、地区計画
他の多くの先進国に比べて日本の都市は無秩序であるとよく言われます。
この原因は実は明白で、絶対的所有権への必要以上のこだわりと行政任せ体質が、我が国での地区計画制度(昭和55年)の活用や、一定のエリアでのルール作りの直接的な弊害になっているのです。
都市とまで言わずとも一定のエリア、一つの通りを美しく景観整備しようと考えた場合、なんらかのルールが必ず必要になることは言うまでもないことです。
雑に言えばどこの国でも構いません。ヨーロッパのお好きな街を、思い返してみて下さい。
2.駅前再開発事業の問題点
過去、大変残念なことに我が国における駅前開発は、必要性よりも実現性を優先して進められてきたと言わざるを得ません。更にこの中で事業採算性が検証されることすらほとんどなく、むしろ無視されてきたと言っても過言ではないでしょう。
折角10年も掛けて出来上がった駅前の超高層ビルは、驚くことに投資利回りという収益性や、将来的・永続的な採算性の検証など、全くなされていない場合がほとんどなのです。
当社の見解ではありますが、その大変有力な論拠は、必要性を議論してしまうと開発が出来なくなってしまうから。採算性など考え始めたら、出来る開発が激減してしまうから、なのではないかと考えています。
開発ありきというのは、特に旧来の駅前再開発事業で非常によく見かける、大変深刻な問題点と言って良いでしょう。
3.街づくり出前口座(コンサル派遣業務)
弊社は都市計画、街づくり、住民主導の任意のルール作り等の「規制誘導方策」から、各種の駅前再開発事業、それらと個人建替えや単純売却の概念を含む「市街地開発事業」などの事業採算まで、非常に幅広い土地利用に係る優位性の比較検討の実績があります。
経歴書記載の通り、大変数多くの地方公共団体や公的機関の登録専門家として、官民を問わない多様な主体…市町村、産業振興センター、商工会議所、商店街、自治会、マンション管理組合、任意の街づくり団体等、全国で非常に多くの「住民勉強会」「街づくり講座」「出前講座」等(以下「勉強会」という)の講師依頼を承ってきました。
費用条件は後述しますが、先に以下の通り、受注条件をまとめます。
○議題や資料の過度な詰め込みはお断りします。
○地権者の個人的な相談は、原則として受け付けます。
○議事運営の透明性の確保を優先します(長老、座長一任はNGです)。
○再開発ビル建設「ありき」の業務は、お断りします。
○無責任なファシリテーター業務も、原則、お断りします。