Hallstatt,Austria
June 23,2001
 
湖に面する町、Hallstattには立派な塩坑があり、これは確かな産業である。
18世紀くらいまでであろうか、交通の便が悪い時期にこの「塩」がもたらした 恩恵は計り知れないものがあるかもしれない。 この塩抗は現在も現役ではあるが、Hallstattの観光形態を見るとむしろ観光資源としての位置づけに比重が移りつつあるのかもしれない。

多分、この状況を日本では「何もない」と表現する。
しかし、私見ではあるがこの町こそが現在の私が知る「最も美しい村(町)」なのである。 Hallstattへのアクセスは対岸の鉄道駅からの船か、あるいは湖を回り込んでの車となる(ただし入場規制あり)。 湖からのアクセスでは当然の事ながら湖上からの「ながめ」が最初に目に入る。・・すばらしい!! 船着き場には教会があり、その奥に広場がある。この広場は日本で言うポケットパーク程度のものだがこの町の人々を充分に満足させるものである。

この町で高い建物と言えば教会に決まっている。
他の建物を低く設定することは、この、教会の中心性を際だたせることにも大きな効果をもたらしている(まあ、都市計画・建築の基本か・・?)。

この小さな町の中を歩いてみると、 実に多くのことに気付く。 坂の町でもあるHallstattにおいて、階段は実用性も重要ではあるが、それ以上に美しくなければならない。 駐車帯は書いておけばよい。ただし、黄色で書いてはいけない。

こうした状況の町においてロードプライジングなどは賛否ではなく、常識であろう。 美しい村が「美しさ」を失うことを恐れるかのような神経質とも言えるほどのこだわりがある。 一般住宅の外壁には使い古されたコインの埋め込みや、敷地境界に用いられている鉄柵までにもきめ細かな細工が施されている。

町の中を歩いて見れば、屋根の上の風見鶏、手入れの行き届いた庭、過度に麗美ではないが、ため息の出るような墓地等々、言葉では語り尽くせない工夫がここにはある。
形態制限としては屋根の形状にルールがあるらしい。この基準が「湖からの景観」を意識したものならば、舌を巻く他無い。

●お奨め店舗・スポット

Hallstattのメインストリート沿いにあるレストラン。メロンジュは若干濃いめで美味しい。
観光地のくせに食べ物は安価で美味しい。どうせお客は二度とは来ない」という態度の観光地が多い、どこかの後進国とは基本的な姿勢が異なる。
例のポケットパークの山側にはイタリアンの店がある。もし、数名での旅行であればここでゲームを借りても良いかもしれない。ただし、今の日本では小学生も相手にしないようなボードゲームだが・・。その反対側(湖沿い)にはレストランがある。ここもはずれない。
おみやげ物は先述の白線の手前の店がよい。ちなみに、スーベニアではなく生活用品も安価(だった)。テニスラケットはヘッドのラジカル(知らない人はご免なさい)という人気モデルが、日本の70%くらいで買えたと記憶している

 

 

●対談者
彼に続こうと思い、ふと立ち止まる。この階段はどこに続くのだろうか?

「現実の社会とは、異なる空間の入口の番人」・・・。

日本にいたときには考えることすらなかった、おとぎ話の世界が目の前にひろがっていた。

 
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