Hさんご一家

(2005/08/13現在、建築プラン検討中 )
  • 所在地/神奈川県逗子市 X
  • 家族構成/
  • 敷地面積/
  • 建築面積/
  • 延床面積/
  • 構造/
  • 設計期間/
  • 施工期間/
目次
総括    
第1章 土地編 (1) 土地探し・・そして分割ブログへのチャレンジ
(2) 縁のある土地は返ってくる
(3)「分割」に伴う予期せぬ追加作業(購入者の権利保全のために)
(4) 付帯条件つき契約
第2章 建築設計編 (1) 分割後の当該地リスクを見込んだ建築計画
(2) 隣接宅地設計者との「建て方」すり合わせ
(3) 建築計画総括
第3章 建物施工編  

総括:アース・デザイン齊藤

例えば湘南エリアに限らず住宅団地というものは都市計画的に多くの問題を抱えている。

どこかの寄稿論文に既に記述した様な気もするが、言われれば誰でも気づく様なこれらの問題は放置すれば意外と深刻だったりする。

第一に住宅団地というものは、同時期に販売がされる。

これを購入する購入者の年齢層には当然に一定の範囲において偏りというものが出る。

したがって、こうしたエリアでは一斉に小学校の不足問題が生じ、そして一斉に相続による遺産分割の問題を迎える。これまでの日本人のライフスタイルは画一化されてきたから、同時期に購入したものは同時期に売りに出される。

不動産という見地からは一定のエリアで一斉に売却物件が出回ると言うのは大問題なのである。事実、湘南エリア周辺の住宅団地で、相続をひとつの要因に値崩れが起きている団地も珍しくはない。

第二に住宅団地では敷地のサイズが画一的になりがちである。

反面これは住環境を保全しやすいという要因にもなりうるが、しかしながらその設定坪数が80坪とか、100坪となると昨今の地価情勢からはやはり深刻な問題となる。

一坪40万円と聞けば確かに割安に感じるのだが、これが100坪の敷地での話となれば土地だけで4000万円である。2000万円の建物を想定しても6000万円・・これは現在の一般的なサラリーマンに組めるローンの規模を超えているのである。

しかし先を見通していない様な建築協定を定めてしまっている住宅団地においては敷地の分割がままならないため、指をくわえて自身の土地売価が値下がりしていく様を見ているしか方法はない。

平成16年度 土地取引の価格分布

第三に住宅団地は少なくとも一度はデベロッパーに購入され、デベロッパーに利益を搾取された土地である。

良く「住宅団地の地価は安定している」という説が聞かれる。
確かに値崩れしているとはいえ、他の既成市街地に比べてその下落幅が小さいという傾向はアース・デザインの相場調査でも確認されている。
しかしながら本質を論ずれば、その地価はもっと低い数字で安定すべき実力のものなのである。

何せもとを正せば住宅団地は昔のミカン畑だったり、単に南を向いた山の斜面なのである。

つまり住宅団地を購入する場合には相場調査に通常以上に気を使い、可能な限り底値での取引を目指す必要があると言うことである。参考までに本件取引の分布を掲載する。

逗子市 X 坪単価分布

第四に高齢化の問題に既成市街地以上に対処が難しい。
こらは何よりも一斉に高齢化を迎えるという数的な問題に起因するところが大きいが、それに「斜面地」という物理的状況が追い打ちを掛けているケースが多い。

最近では「助け合い」という福祉は社会的にも認知されつつあるが、周り中が高齢化していれば助け合いようもない。

さて、総括は課題だけ並べても総括にならない。また、アース・デザインでは住宅団地を買うなと言うわけでもない。よって、以下これらの課題に対するアース・デザインの方策提案を行う。

例えば住宅団地の敷地ロットを、ある意味不均一に誘導したらどうだろう? 不均一になった土地は価格もバラバラである。 多くの売却希望価格に対して、多様な年齢層からの需要を見込むことが出来るのではないか。 需要の多年層への拡大は上記「第二」の問題を解決する。その中でエリアのコミュニティが再構築されれば、そこで自然に上記「第四」の問題が解決できるであろう。

敷地ロットの不均一化は、これまでの住宅団地ではほとんどあり得なかった、いわゆる隣地の買い増しを誘発するであろう。
息子・娘家族との夢の二世帯住宅・・しかもその住宅は敷地に余裕があるため、無理矢理3階建てにすることで周辺の住環境を破壊する心配もないのである。

また、多くの住宅団地には建築協定自体は存在するケースが多い(優劣は別)。 この部分は間違いなく既成市街地に対する住宅団地のアドバンテージである。 それを軸に上記不均一宅地の生成を計画的に誘導出来れば、結果的に上記「第三」の課題に対応することが・・、これは出来るかも知れないとしておく。あくまでもこの部分、どれほど魅力ある市街地を形成出来るかは、その地域の住民に係っている問題だからである。

ただ、少なくともこの方策が時間経過と共に上記「第一」の問題を解決することは明らかである。 バラバラの時期に購入した土地は、決して一斉に売りに出されることはなく、そのエリアに魅力があるのなら、値崩れも起こらないのである。

今回の総括は、本件取引の総括というよりも「21世紀の住宅団地概論」的な内容になってしまった。 しかしながら、ここに行われた計画的分割(統合)の【試み】が、我が国の多くの住宅団地を再生させるひとつの有望な方策なのであろうと、齊藤は考えている。

最後に念のため申し添えるが、ここにいう分割とは30坪の均等分割などという、工夫のない単なる細分化を差しているものではない。

また、今回の不動産取引こそが、計画的不均一宅地生成の第一歩なのである。

 

次ページ 
第1章:土地選定編(1) 土地探し・・そして分割ブログへのチャレンジ
第1章:土地編
(1),(2),(3)
第2章:建築設計編
 
 
 

 
湘南住宅物語ホーム>第6話
不動産のご購入・ご相談はお気軽にearth-d@co.email.ne.jp まで。

アース・デザイン ホーム  会社概要